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2025.12.02
「消えつつ 生まれつつ あるところ」記録集 発売
金沢市菊川にある空き家5軒を会場に開催した展覧会『消えつつ 生まれつつ あるところ』。
その展示内容や会場風景を余すことなくまとめた記録集を2025年11月5日に発刊いたしました。
10組のアーティストの作品写真はもちろん、前金沢21世紀美術館館長の長谷川祐子氏や建築キュレーターの川勝真一氏によるレビュー、各アーティストの事後インタビューなど盛りだくさんの一冊です。会場となった空き家それぞれの歩みや背景も記されており、アートがお好きな方はもちろん、建築やまちづくり、そして空き家の活用に関心のある方にも手に取っていただきたい内容です。
この一冊が展覧会のアーカイブにとどまらず、空き家をめぐる課題や可能性を社会に伝えるきっかけになれば幸いです。ぜひお買い求めください。

消えつつ 生まれつつ あるところ
A Place That is Vanishing While Being Born
出品作家(アルファベット順):
中森あかね、田中宏和、佐藤弘隆、下出和美、道念邦子、マーガレット・ウィブマー、ニック・ヴァンデルギーセン、O33、清水冴、sub-document
(表紙カバーより抜粋)
人びとの暮らしの中に起こる展覧会として、2024年秋に開催した「消えつつ 生まれつつ あるところ」では、イクヤマ家・お向かいの家・Kアパート・角の家・松本家の5 軒に、10 組のアーティストおよびグループによる作品が展開されました。とりわけ、お向かいの家・Kアパート・角の家は、荒れた状態の空き家を掃除するところから始まりました。展示室として改造するのか、それとも手を付けないのか。畳・建具・家財道具をどうするのか、雨漏りは、庭は、電気や照明は?長年放置されていた空き家のドアを開けたときの、あの感覚や匂いは残せるのか、残さないほうがよいのか──。こうした選択は、各アーティストにとって難題であると同時に、インスピレーションをもたらしました。
本展は、古くから日本家屋に用いられてきた樹木と、植物のライフサイクル(発芽・成長・開花・結実・枯死・休眠)に着想を得て、菊川の土地に根ざした空き家を「枯死」「休眠」の過程にある植物になぞらえて構想しました。アートの想像力(あるいは創造性)を介し、朽ちゆく植物をいたわるように家屋やコミュニティ、そして私たち自身をいたわり、それぞれの新しい生の芽吹きを想起したい、という願いを込めています。
▼目次
「空き家」の幸福の哲学 長谷川祐子
導きのキュレーション 川勝真一
イクヤマ家
- 道念邦子 Kuniko Donen
- 清水冴 Sae Shimizu
- 佐藤弘隆 Hirotaka Sato
お向かいの家
- 佐藤弘隆 Hirotaka Sato
- マーガレット・ウィブマー Margret Wibmer
- O33 Ousansan
Kアパート
- 田中宏和 Hirokazu Tanaka
- 中森あかね Akane Nakamori
- ニック・ヴァンデルギーセン Nik van der Giesen
角の家
- サブドキュメント sub-document
松本家
-下出和美 Kazumi Shimode
目印だった椅子 山本周 頼安ブルノ礼市
カフェ/メディエーター
(全144頁)
2025年11月5日 発行
発行:特定非営利活動法人綴る
編集:松本有未、清水冴
写真:ニック・ヴァンデルギーセン
翻訳:ジョイス・ラム
レビュー:長谷川祐子、川勝真一
アーティスト・インタビュー聞き手:清水冴
デザイン:神子澤知弓
印刷・製本:株式会社グラフィック、山田写真製版所
助成:澁谷学術文化スポーツ振興財団
価格:1冊3,300円(税込)
送料:別途185円(税込)
お振込先:GMOあおぞらネット銀行 法人営業部 普通 2259906 トクヒ)ツヅル
※振込手数料はご負担ください。
発送:ご入金完了後、通常3~5営業日以内にクリックポストにて発送いたします。
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tsuzuru.kikugawa@gmail.com